2015年11月17日

PTSDへの持続エクスポージャー法1

PTSDへの持続エクスポージャー


Foaらの創始した認知行動療法である持続エクスポージャーがPTSDへの治療方法として注目されています。

米国科学アカデミーでは、PTSDに対する治療法で唯一十分なエビデンスのある治療法とされています。


持続エクスポージャーの治療メカニズム


FoaはPTSDの原因は「トラウマ記憶への回避」であると仮定しています。
そのため治療では回避とは逆の直面化を行うことが必要であると考えます。

持続エクスポージャーの本質は「記憶の想起で傷つくことはないことを体験」することなので、体験を語ることによるカタルシス効果を期待しているわけではありません。
患者は記憶を想起すること自体が傷つくのではないかと感じていると考えられます。
そのため持続エクスポージャーによってトラウマ記憶に直面化して、記憶を想起では傷つくことはないことを体験していきます。

こうしてトラウマ記憶への直面化を行うことによって、
「体験した記憶の順化」「体験した記憶の処理」を促進します。
そして以下に説明するように自然治癒を促します。


PTSDは異常?


PTSDは異常な体験に対する正常な反応であると考えられています。
そのため時間の経過とともに自然に治っていくと考えられます。
PTSDには自然寛解が多く、治療をしていなくても半数から70%程度が自然に回復するとPTSDガイドラインに示されています。


では「PTSDは異常ではないので治療しなくてもよいのか?」という話になりますが、
PTSDの本質は「発症」することではなく「慢性化」することにあります。言い換えれば自然治癒が妨げられていることです。

自然治癒を妨げて、症状を慢性化させている要因は「トラウマ記憶の回避」です。
「トラウマ記憶の回避」がPTSDの自然治癒を妨げているということです。

そのため持続エクスポージャーでは
PTSD症状を慢性化させている「トラウマ記憶の回避」を取り除くことによって自然治癒を促します。


持続エクスポージャー療法の入門書


PTSDの持続エクスポージャー療法はPTSDに対する持続エクスポージャー療法の本です。
著者は持続エクスポージャー療法を考案したFoa(フォア)で、翻訳もわかりやすくなっています。

本の構成は以下の通りです。
第1章 治療者のための基本的情報
第2章 トラウマ体験者の治療における評価方法と注意
第3章 セッション 1
第4章 セッション 2
第5章 セッション 3
第6章 中間セッション
第7章 最終セッション
第8章 患者に応じた問題の予測と治療の修正:効果的な情動的関わりの促進


青年のPTSDに対する持続エクスポージャー療法



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2015年11月06日

オペラント条件付けに基づくPECS

PECSとは?


PECS(絵カード交換システム)は言葉が出にくい自閉症児や知的障害児などに用いられる代替コミュニケーション法の一種で、療育現場などでしばしば使われます。

PECSはオペラント条件付けに基づいた技法です。
絵カードを渡すという行動に対して、絵カードに描かれたものをあげる(正の強化)、ということを行います。


PECSの手順


まずは使い方を覚える


まずは補助が一人と、絵カードに描かれたものを与える者が一人必要です。
自閉症児が何かを欲しがっていそうな時に、補助をする人が絵カードを渡すように促します。
このとき、「これ渡してね」というような言葉ではなく動作で促すことがポイントです。

初めは1枚の絵カードだけを見せて相手に渡すようにします。
次第に複数の絵カードから欲しい物(やってほしいこと)の絵カードを1つ選びます。


使い方を覚えたら般化


絵カードの使い方を覚えたら次は般化です。
絵カードを遠くに置いても、学校でも家でも、別の人が相手でも、絵カードが使えるように般化していきます。補助をする人(プロンプター)もなしで実施していきます。

詳しい実施方法についてはオペラント条件付けに基づくPECS2で



PECSで用いる絵カードがCDに収録されています。パソコンに入れて印刷する必要があります。
プリンターがない場合はUSBにコピーしてコンビニのプリンターにさせば印刷可能です。



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