2013年11月29日

腹を下した食べ物は嫌いに-味覚嫌悪条件付け-

味覚嫌悪条件付けとは?


味覚嫌悪条件付け(味覚嫌悪学習)とは、不快な刺激と飲食物を対提示することで、その飲食物に嫌悪を覚える現象です。

「カキを食べてお腹を壊すとカキが嫌いになる」のも味覚嫌悪条件付けの例です。


味覚嫌悪条件付けは、パブロフの犬やアルバート坊やの実験と同じく古典的条件付けの一つと考えられます。

しかし、決定的に違う所がありました。それは、
1、対提示する2つの刺激が時間的に接近してなくても条件づけられること、
2、対提示1回でも条件づけられること、
3、条件付けられやすい刺激と条件づけられにくい刺激があることです(3つの相違点は以下に説明します)。

この相違点のため、味覚嫌悪学習の実験は従来の条件付け理論に影響を与えるものとなりました。

「なんでも条件づけれるわけじゃないんですね!」


味覚嫌悪条件付けの発見


ガルシアらは、ラットを用いて、放射線照射の影響を調べていました。
その放射線照射の実験でガルシアが気づいたのは、ラットの体重が減っていたことです。
体重が減った原因は、水の摂取量が減ったために食料の摂取も減ったことでした。

味覚嫌悪条件付けの実験


さらにガルシアは、放射線照射用の檻と飼育用の檻にある水を見ると、飼育用の檻にある水の方が減少していることにも気がつきました。※放射線照射用の水の容器はプラスチック製で、水もプラスチックの味に

そこで、ガルシアは「放射線照射用の水の味と、不調をもたらすことが条件づけられたのではないか?」

さらに実験を重ね、放射線照射用の檻にある水に特定の味をつけて、飼育用の檻にある水の容器の減り具合と比較したところ、飼育用の檻の水の方が減っていました。

この実験から「特定の味覚刺激と放射線照射を対提示すればその味に嫌悪感を覚える」と主張しました。
このようなプロセスが味覚嫌悪条件づけ(あるいはガルシア効果)と呼ばれます。

条件付けのされやすさ


ガルシアの実験では、ある刺激とある刺激は連合しにくく、ある刺激とある刺激は連合しやすいことがわかりました。
これは選択的連合と呼ばれます。

中毒を条件づける実験では、
味覚と中毒は結合しやすく、音と中毒は結合しませんでした。

痛覚を条件づける実験では、
音と痛覚は結合しやすく、味覚と痛覚は結合しませんでした。


選択的連合が研究され、学習には準備性(学習の準備性)があるのだと認識されていきます。



従来の古典的条件付けと劇的に異なる点


まとめると、味覚嫌悪学習は、従来の古典的条件付けとは異なる点が3つあります。
この従来の古典的条件付け理論との相違点が、味覚嫌悪条件付けの有益な点でした。

1.対提示が時間的に接近していなくても成立・・・従来の「時間的接近の法則」に当てはまらない
2.一回の対提示でも成立・・・従来の実験では対提示を繰り返す必要があった。
3.選択的連合・・・痛み刺激では味覚嫌悪が形成されなかった。


posted by 心理士さん at 06:45| Comment(0) | 行動心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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