2015年07月26日

パニックはなぜ起こる?―パニック発作のメカニズム-

パニック発作のメカニズム


認知行動療法では、パニック発作は古典的条件付けによって説明されます。

つまり、「軽微な身体的変化」と「パニック発作」の条件付けがパニック発作のメカニズムとなります。
軽微な身体的変化が生じると自動的にパニックが生じるということです。

これは古典的条件付けによるS-R連合です。
ワトソンのアルバート坊やの実験で言えば、軽微な身体的変化はウサギ(S)で、パニック発作は驚愕反応(R)に相当します。


パニック発作への認知行動療法


軽微な身体的変化とパニック発作が条件付けられていると考えるため、
この繋がりを断つことが治療になります。つまり軽微な身体的変化が生じてもパニックが生じないようにするということです。

パニック発作という反応を消去するためには、軽微な身体的変化のみを繰り返し提示することで、パニック発作が生じないようにします。

その具体的な方法は、自ら呼吸を荒くして過呼吸のような状態を作ったりします。
これは内的エクスポージャーや身体感覚エクスポージャーなどと呼ばれます。


参考書籍「不安もパニックもさようなら。不安障害の認知行動療法」

専門家的な内容ですが、不安やパニックについてはこの一冊をしっかり読めば理解できます。
専門的な書籍のためやや高めですが、値段以上の価値があったと思います。


次回も認知的・行動的な視点から広場恐怖を理解していきます。

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2015年07月01日

心の奥にある信念―スキーマ―

スキーマとは?


認知行動療法で言うスキーマとは、「情報処理・行動に影響を与えるような知識」と言えるかもしれません。
もしくは、「刺激に対してどのように反応(考え・行動・気持ちなど)するかを決める枠組み」とも言えるかもしれません。

「人はすべて悪だ」というスキーマを持っていたとすると、よくある普通の行動を見ても「悪意があるな」と
情報処理がゆがめられ、行動にも影響します。

例えば以下のようなスキーマがあります。
・疎外スキーマ・・・仲間はずれにされ孤立している
・見捨てられスキーマ・・・自分は見捨てられる
・失敗スキーマ・・・何をやっても失敗する
・自己犠牲スキーマ・・・自分よりも他人を優先しなければならない
・悲観的スキーマ・・・いつも悪い結果になる

見捨てられスキーマを持っている人は、恋人の冷たい態度に「私に飽きてるんだ、捨てられるかもしれない」
と考えるかもしれませんし、「フラれるくらいなら自分から別れを言おう」と行動にも影響するかもしれません。



認知療法におけるスキーマ


ベックが考案した認知療法では、「自動思考からスキーマを特定」しようとします。
自動思考とは、たとえば、嫌なことがあったときに自動的に頭の中で考えていることです。
自動思考の根底にはスキーマがあると考えられ、スキーマの影響で自動思考が生じるとされます。


スキーマの起源


発達心理学のピアジェは、「シェム」という言葉を使っていますが、スキーマと同様の意味です。
ピアジェの発達理論におけるシェムは、子供が環境との相互作用の中で精緻化し発達していく認知の枠組みです。
たとえば、「ポールに力を入れたらへこむこと」や「足に力を入れると固くなること」などを子供は学習していくわけですが、これはシェム(認知)が発達していると考えられます。
「ゴルフボールに力を入れてもへこまないこと」を経験した子供は「力を入れてもへこまないボールもあるんだ」とシェム(認知)を修正します。




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2013年12月04日

不安階層表

不安階層表とは?


不安階層表とは、段階的にエクスポージャー法を行う際に用いられる表のことです。
クライエントにどの状況がどの程度の不安かを低いものから高いものまで記入してもらいます。

不安階層表.jpg
不安階層表のイメージ


不安階層表のメカニズム


条件刺激の性質が変化していくとSR連合が弱まっていくことを般化勾配と言いいます。
たとえば、大勢の大人(条件刺激)が不安な社交不安障害のクライエントであれば、
大勢の大人⇒大勢の大人と子供⇒少数の大人

と不安が少なくなっていきます。

不安階層表はこの般化勾配の考えに基づいています。


不安階層表の作り方


不安階層表は特に決まったフォーマットはありませんが、
通常、クライエントに合わせて、状況と不安得点の蘭、状況と恐怖得点の蘭、のように作ります。

不安得点は、100点〜0点、100%〜0%のような単位を用いることが多いです。

不安階層表をフィードバックに使う


不安階層表をまずエクスポージャーを行う前に書いてもらいますが、
エクスポージャーをした後に不安が下がったことをフィードバックするために、クライエントに不安階層表を記入してもうことにも用います。

そうすることで、「不安状況を避けているのでは解決せず、不安に直面すれば不安がだんだん下がっていくんだ」といった理解を促進できる可能性があります。

フィードバックに使う場合は、エクスポージャー前と後の不安得点蘭を用意する必要があるでしょう。

不安階層表を効果指標に使う


不安階層表は、効果の指標として使うこともできます。
どのような介入を行ったらどのような効果があったのかというエヴィデンスを示すために、不安得点が何点から何点に下がったことを示す不安階層表が使えます。

不安階層表だけで効果を示すのではなく、標準化された不安尺度や恐怖尺度が用いられることもあります。







posted by 心理士さん at 06:50| Comment(0) | 行動的技法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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